社 名 日吉東照宮 境内末社
鎮座地 滋賀県大津市坂本5-1-1 日吉大社
由   緒 ・ 沿   革
 全国の東照宮造営の経過としては、元和二年徳川家康公没後直ちに遺命により静岡久能山に祀られ、一年後日光に祀られているが、現在の様な本殿と拝殿を石の間で繋ぐいわゆる権現造りの発祥はここ日吉東照宮といわれている。
 三代将軍家光上洛の途次に比叡山天台宗の大僧正天海上人に命じて考えさせた権現造りは、石の間が数段低く設計され祭祀を司る者が、将軍に背を向けて奉仕しても非礼にならないように配慮されている。ここは、日光東照宮の様に本殿石の間 拝殿 向拝が一体の様式が未完成のままで、本殿と拝殿の間の石の間を如何に繋ぐかを苦心した跡が伺える。
 日吉東照宮は、元和九年(1624年)造営され、その後僅かの歳月しか経っていないのに、寛永に再建着工、十一年(1634年)七月には勅使を迎えて盛大に正遷宮が斎行されている(現社殿)。その秋に日光東照宮が再建に着手され、十三年春に正遷宮されている事を鑑みても、当社が日光の雛型として再建されたといわれる由縁である。
 大正六年には東照宮社殿が国の特別保護建造物となり、昭和四年に国宝、昭和二十五年には重要文化財に指定された。東照宮橋(権現橋)は昭和十年水害のため流失した。(由緒書より)

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